【Bar Pivot】人事の本を読んで迷子になった社長に、マスターが授けた「一つの正解」

八月上旬の蒸し暑い夜。

Bar Pivotの扉を開けた。

俺は先月、数年ぶりにここへ来て、

マスターに過去の非礼を詫びた後、

人事制度のことを学んだ。

あの夜からまだ一か月も経っていないが、

またすぐにここへ来てしまった。

「マスター、

あれから本を何冊か読んで、

人事制度の勉強をしてるんです」

「それは良いことですね」

「でも……正直、読めば読むほど、

なんだかモヤモヤしてきまして。

なんとなく、うちには合わない気がしていて」

「実は、 世に出ている人事制度の本は、

大企業向けを前提として書かれているものも

少なくありません。

大企業向けの制度を

そのまま中小零細企業に持ち込んでしまうと、

大抵うまくいきません」

「なるほど……」

「で、何が引っかかっていますか?」

「等級制度から手をつけたんですが、

『職能等級』に『職務等級』、それに『役割等級』……。

種類が多すぎて、

どれをうちの会社に取り入れるべきか、

迷子になってしまいそうで」

俺がそう言うと、

マスターはグラスを磨く手を止めて、

静かに言った。

「結論を言いましょう。

中小企業が今すぐ導入すべきは——」

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